消費税の不正還付増加

公開日 : 2016年3月6日


 消費税の還付制度を悪用し、虚偽申告などで還付金をだまし取る者が増加。昨年6月までの1年間に発覚した不正還付は全国で726件に上り、2年連続で増加している。
 
 商品を輸出する際、仕入れにかかった消費税が全額還付される「輸出免税制度」を悪用し、実際は輸出していないのに輸出したように偽造する。

 国税庁によると、不正還付の件数は2008事務年度(2008年7月~2009年6月)に1,165件を記録して以降、減少していたが、2012事務年度(542件)を底に上昇に転じた。消費税率が5%から8%に上がった直後の2014事務年度(726件)は前年度に比べて24%増加。税率の引き上げで不正還付金が増えることが影響していそうだ。

  国税当局が悪質性が高いとして刑事告発した事案は昨年6月までの5年間で計77件。

  来年4月に税率が10%に上がれば、悪質な事例がさらに増える可能性がある。

 政府は不正の横行を防ぐため、2011年9月に消費税法を改正し、還付申告の段階で処罰できる「未遂罪」を新設した。国税庁は2012年4月から還付申告の際に明細書の添付を義務化。取引先の名称や所在地、仕入れた原材料名などの記入を求めている。

検索 (文字を入力しEnter)