年金改革

公開日 : 2008年10月3日


 厚生労働省は基礎年金の受給額が少ない低年金対策を巡り、これまでの「全額税方式化」と「最低年金創設」案に加え、低所得者の国民年金保険料を軽減し、軽減分を税で補助する第3の案を新たにまとめた。

 基礎年金が満額(月66,000円程)を下回る低年金者も多く、老後の生活を支える役割を持つ基礎年金については、これまで①基礎年金の財源を全額税で賄う税方式への転換②加入期間にかかわらず、給付時に税で加算する最低年金の創設――という2つの改革案が出ていた。

 厚生労働省は今回、低年金対策として新たに第3の案をまとめ、3つすべてを提示。第3の案では自営業者らが対象の国民年金の定額保険料(今年度は月14,410円)を所得に応じて軽減し、軽減分を国が税で補って全額払ったとみなす。保険料を少額ずつでも40年間払い続ければ、基礎年金を満額受け取れる仕組み。

 さらに厚生労働省は年金の受給資格が得られる加入期間の短縮や国民年金の適用年齢などの見直しを検討する。現在、加入期間が25年に満たないと年金がもらえず、保険料は掛け捨てとなる。また、保険料を滞納してから2年間の時効後も追加で払えるようにし、年金額を増やす仕組み、パート労働者への厚生年金の適用拡大、育児期間中の国民年金保険料の免除など課題は多い。

 厚生労働省は今後、第3の案を軸に検討する方向だが、3種類の案では必要な税財源に違いが出る。

 いずれの案を採用するにしても、数兆円の負担が生じる。また、国債を発行して子、孫への負担を増加させるのだろうか(国債は、何年・何十年後に償還するので、結局、償還の財源は、償還時に生存している人達の負担となる)。

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