企業倒産増加

公開日 : 2008年10月15日


帝国データバンクが発表した2008年度上半期(4~9月)の企業倒産集計(負債総額1,000万円以上の法的整理の集計)によると、負債総額は前年同期比2・9倍の8兆4,533億円に上り、半期ベースで過去5番目、上半期だけをみると過去2番目の高水準になった。件数では、前年同期比15・3%増の6,343件。前年同期比での増加は3年連続で、国内景気の低迷に金融市場の混乱が重なり、不動産や運輸業者などの倒産が目立っている。

 負債総額は日経平均株価が1万円前後で推移した01年度下期以来の水準にまで膨らんだ。倒産はこれまで中小・零細企業で増加傾向をたどってきたが、今年度上半期は不動産関連を中心に18社の上場企業が倒産した。

 9月には米証券大手リーマン・ブラザーズの日本法人が戦後2番目となる約3兆4,000億円の負債を抱えて倒産。

 倒産件数を業種別にみると、燃料費高騰の影響を受けた運輸・通信は34・9%増の255件。建材価格の高騰などで、不動産(25・8%増)や建設業(21・2%増)で大幅に倒産が増えた。

 倒産の原因をみると、販売不振や売掛金の回収難など「不況型」が前年同期比18・8%増加。全体に占める割合も79・2%と同2・3ポイント上昇した。帝国データバンクは「景気後退と資金調達環境の悪化がさらなる倒産増を招く悪循環が強まるおそれがある」とみている。

 東京商工リサーチが発表した08年度上半期の企業倒産状況では、倒産件数は前年同期比11%増の7,863件、負債総額は同2・9倍の8兆6,560億だった。

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