銀行のカードローン抑制(29年6月9日)

公開日 : 2017年6月9日


 簡単な審査で数百万円に上るお金を借りられるカードローンを巡り、銀行が融資の抑制をするようだ。銀行は貸金業法の適用外なため残高を大きく伸ばしてきた。 
 
 カードローンは無担保で使途の制限がない融資で、金利は個人の信用力などに応じ年1.8~15%程度。最大500万~700万円といった枠の範囲内で借りられるが、マイナス金利下にもかかわらずローン金利は高止まりしている。
 
 全国銀行協会は3月にカードローン審査の厳格化に向けた申し合わせを公表し、三井住友銀行は4月から年収証明書の提出を求める融資額の基準を「300万円超」から6分の1の「50万円超」に引き下げた。三菱東京UFJ銀行も「200万円超」から「50万円超」に下げる予定で、テレビコマーシャルの放映時間も限定する方向。
 
 みずほ銀行は融資の上限額を利用者の年収の2分の1から3分の1に引き下げ、年収証明が必要な融資額も「200万円超」から下げる。りそな銀行はローンの種類によって「100万円超」「300万円超」としている年収証明書の基準を下げる方向だ。
 
 以前は、個人向けの無担保ローン市場は消費者金融やクレジットカード会社など貸金業者が主役だったが、多重債務が社会問題化したことで2010年に改正貸金業法が施行され、貸金業者は利用者の年収の3分の1までしか貸せない「総量規制」がかかった。

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