定期預金、7年ぶり高水準

公開日 : 2009年7月24日


 定期預金残高が5月末時点で前年比5%近く増えて、約7年ぶりの高水準になった。雇用や賃金への先行き不安から、元本割れリスクのない預金などの安全資産にシフトいているようだ。定期預金はこのところ月間1兆円近いペースで増えており、年内にも過去最大だった2001年1月末の201兆円を上回る可能性がある。

 

 日銀によると、5月末の個人の定期預金残高(国内銀行)は195兆円と前年同月比4・9%増えた。普通預金はここ数年、160兆円前後と横ばい。

 

 2007年6月に株式と投資信託の残高は、280兆円あったが、2009年3月には126兆円と5割以上減っており、その何割かが定期預金に流れているのだろう。

 

 損失を被った個人が、定期預金に運用資金を避難させたのが一因で、1,000万円を一括で預ける人もいるようだ。

 

 預金金利は1年物定期預金で年0.2%程度と危機前のほぼ半分の水準で、個人マネーが集まる銀行は、リスクの低い国債での運用を増やしている。現金が消費に向かわず預金に集まり、銀行が国債を中心に運用し続ければ、政府にとってはいいかもしれないが、また無駄使いをし、後の世代への借金ばかりが増えることが危惧される。株式投資をしたほうが、資金が循環し、経済が活発になるだろう。

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