法人税収5~6兆円に

公開日 : 2009年11月11日


 2009年度の法人税収が、例年の規模からほぼ半減し、5兆~6兆円にとどまる見通し。この額は、企業業績の悪化で、企業が納めすぎた税を払い戻す「還付金」が数兆円規模に膨らむのが原因で、1970年代以来の低水準。所得税収や消費税収も前年度を下回り、09年度の一般会計税収は30兆円台後半にとどまる見通し。
 

 今年度上期(4月~9月)の法人税収は、企業への還付金が収入を上回ったようで、「還付超過」の規模は1兆円前後。財務省によると、年度半ばで還付が収入を上回る事態は過去に例がないそうだ。
 

 企業は、前年度決算の実績を踏まえて、翌期の半ばに半分を前払いする。実際に決算を締め、前年度を大幅に下回ったりした場合は、納めすぎた分が国から還付される仕組みになっている。
 

 今年度当初の法人税収見込み額は、10兆5,000億円で、財務省は、最終的な法人税収額は、5兆~6兆円にとどまると見積もっている。過去5年間の法人税収の毎年度平均は、12兆8,000億円なので、半分以下に落ち込むことになる。所得税も、前年同時期の実績を15%程度下回っている。
 

 この結果、46兆円と見込んでいた一般会計税収は、30兆円台後半に落ち込む。政府は、税収の不足分を国債の追加発行で補う方針で、今年度の新規国債発行額は、当初予算では33兆円だったが、最終的には50兆円を超え、過去最大の発行額になる可能性がある。

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