再就職手当引き上げ

公開日 : 2016年5月15日


 国内の完全失業率は3.2%と低水準。ただ、若年層を中心に期間が1年以上に及ぶ長期失業者は高水準。

 そのため政府は、2017年1月から雇用保険に加入し、失業して基本手当をもらっている人の手当を見直す。具体的には、基本手当の残りの給付期間に応じて一括してもらえる「再就職手当」を引き上げる。基本手当を受け取っている人は2014年度に約47万人いた。このうちおよそ8割にあたる38・5万人が支給期限前に働き口を見つけ、再就職手当を一括して受け取っている。

 2017年からは基本手当の給付期間を3分の2以上残している場合、同手当の残存分を合計した7割相当をまとめて「一時金」のかたちで支給する。現行の6割相当から1割引き上げる。

 例えば、基本手当が5,000円で給付日数が270日の人が50日目で再就職した場合、2017年以降は再就職手当として77万円を一括でもらえる。現行制度より約11万円増える。

 同じく支給期間を3分の1以上残して再就職した場合の手当も、基本手当の合計の6割相当に引き上げる。現行は5割だ。

 雇用保険に加入していれば、失業時には年齢や勤続年数などに応じた90~360日間の失業給付がある。45歳以上60歳未満で勤続年数が20年以上なら、給付日数は最長の330日だ。離職時の年齢が60歳未満の場合、1日当たりの基本手当は5,830円が上限。

 ただ、こうした失業給付の恩恵をフルに受けようとして失業期間が長期化すると就業意欲や技能の劣化を招き、再就職が難しくなる傾向にある。

 総務省の労働力調査によると、失業期間が1年以上の長期失業者は2015年平均で77万人。                                   

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