国民健康保険料の上限引き上げ

公開日 : 2010年9月29日


 厚生労働省は、国民健康保険について、高所得者層の負担上限を引き上げ、中所得者層の保険料負担を軽減する方針を固めた。2011年度から介護保険料を含めた年間の負担上限額を2万~4万円引き上げて最大77万円とし、中所得者層の保険料の引き下げにつなげる方針。社会保険(協会けんぽ)の負担上限(折半額)は約80万円。

 国民健康保険は約3,600万人が加入しており、保険料は世帯構成に応じて等しく負担する額(応益分)と、所得に応じた額(応能分)を算出し、これを合計して決まる。所得などに掛ける料率は、市町村が独自に決めるので保険料は地域によって異なる。ただし、高所得者層の負担が際限なく増えることを防ぐために、国が保険料の上限額を定めている。

 現在の保険料上限は年間63万円で、介護保険料分を同時に納める40~64歳の人の上限は、73万円。厚生労働省は上限を医療、介護とも2万円ずつ引き上げる。

 今は平均で760万円程度の年間世帯所得で上限に到達し、所得がそれ以上でも保険料は変化しない。上限は、今年度に医療分を4万円引き上げたばかりなのに、どれだけ国民負担が増えていくのだろうか。

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