下請け取引改善へ

公開日 : 2009年3月27日


 中小企業庁が2008年12月に設置した「下請取引適正化推進会議」は、下請け取引の適正化に向けた提言をまとめた。
 

 提言の中心は、「下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)」の厳格な運用。同法は製品等の納入後60日以内に、下請け代金を支払わなければならないと定めている。発注元は支払期限の60日近くになって、代金として手形を振り出すケースが多く、振り出した手形の支払期限は、下請代金法の運用基準で「120日以内」と定めている。
 

 このため下請けである中小企業が現金を受け取れるのは、製品等の納入後、半年程かかることがある。下請け企業の半数近くが手形で代金を受け取っており、中小企業の資金繰りは苦しくなる。提言では「下請け代金は現金で支払うことは原則」との考え方を強調し、手形による支払いの見直しを求めた。
 

 中小企業庁は提言を受けて、下請代金法の運用基準を見直し、手形の支払期限を短縮する方向で検討する。
 

 同庁の調査では、下請け企業の10%が、手形の振出日から支払期限までの期間(サイト)について、現在の運用基準である「120日を超える」と回答した。景気の悪化でサイトは伸びる傾向にあるという。手形による支払いの見直しは、中小企業金融の円滑化に不可欠。
 

 提言では、手形の支払期日前に金融機関に持ち込み、現金化するときに支払う「割引手数料」について、発注企業があらかじめ下請け代金に上乗せして支払うべきだとの判断も示した。

 ただ、中小企業が孫請けに仕事を発注する際にも、この原則を適用すると中小企業の資金繰りは改善されない。

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