連結納税 

公開日 : 2009年6月15日


 政府は、使いやすい連結納税制度をめざし、制度活用開始の際、子会社が前年度から持ち越した欠損金もグループ全体の黒字から引き、法人税の支払いを減らせるようにすることなどを検討。
 

 連結納税制度は、税務上の赤字である欠損金と税務上の黒字をグループ全体で相殺できる仕組みで、低収益事業や新規事業を分社化しやすい。
 

 前年度までに発生した欠損金と当年度の黒字を相殺できる繰越控除制度という仕組みがあり、業績が回復しても、相殺後の欠損金が残っていれば、最長7年間は法人税を納めなくてすむ。繰越欠損金があるために企業が払わずに済んでいる法人税額は、年間で3兆円程度ある。
 

 現行制度は連結納税を導入した場合、親会社の前年度までの繰越欠損金は相殺の対象になるが、子会社の繰越欠損金は対象にならない。アメリカでは子会社の分も認めており、子会社分の相殺や連結納税導入の際に、子会社の資産を時価で評価しなければならないが、簿価評価を認めるように検討する(時価で評価し、含み益が出た場合は、法人税がかかってしまうため)。
 

 さらに、現状では100%子会社のみとする連結納税の対象範囲を緩めることや、複数ある子会社の中から、どれを連結納税の対象にするかを選択できる制度の導入も検討課題にしている。
 

 税収減になる可能性はあるが、企業にとって税務戦略は重要であるので、より使える制度にしていただきたい。

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