法人税収(国・地方含)9・7兆円

公開日 : 2010年4月21日


 2009年度の国と地方の法人税収が32年前の水準まで落ち込む見通し。財務・総務両省の予測では、国・地方合計の法人税収は9・7兆円で、2008年度実績(18・4兆円)の約半分に急減し、1977年度(8・7兆円)以来の低さになる。
 

 2009年度2次補正予算の見通しでは、法人税は前年度の約半分の5兆1,750億円で、当初予算段階の  10・5兆円から大幅に下方修正した。バブル期のピーク(1989年度の19兆円)の約1/4、直近のピーク(2006年度の14・9兆円)の1/3程度の水準。
 

 国税に加え、地方税の法人事業税と法人住民税(地方法人2税)も歴史的な低水準にまで落ち込みそう。    2009年度の決算見込みは4・5兆円と2008年度決算(8・4兆円)の約半分に急減する見通し。単純比較では  1979年度以来の低水準となる。
 

 2009年度の地方税収は、2005年度以来の低水準となる34・4兆円の予想。個人住民税、固定資産税、地方消費税は、2008年度とほぼ同水準だが、法人2税だけは急減する。
 

 2010年度以降は、単年度の企業業績が回復しても、欠損金の繰り越しが残り、税収の大幅な回復は期待しにくい。2008年度時点で翌期以降に繰り越した欠損金は90・8兆円と8年ぶりの高水準に達している。
 

 特に、リーマン・ショックの際に大幅赤字を計上した金融機関などは、繰越欠損金を抱える例が多く、落ち込んだ法人税収は、企業業績の回復後も大幅には伸びないだろう。
 

 日本の法人税の実効税率(40・69%)は、中国(25%)や韓国(24・2%)に比べて高く、税収全体に占める法人税の比率が高いのも日本の特徴。日本での税収(国と地方合計)に占める法人税収の割合は、欧米では、10~15%程度なのに対し、日本は法人税収が落ち込む09年度でも20%を超える。過去には、同比率が30%程度に達することもあった。
 

 一方で、特に欧州に比べて、付加価値税(日本の消費税に相当)の比率は低い。

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