銀行、不正送金の89%補償

公開日 : 2014年7月4日


 インターネットバンキングでの不正送金犯罪が巧妙になり、金融機関が取引先に被害額を補償するケースが増えている。2013年4月~12月は約900件の被害のうち89%を補償しており、補償率は2012年度の70%から20%近く増加。
 
 金融庁の調査によると、昨年4月~12月の不正送金被害は1,231件。補償などの事後処理が終わった案件が932件あり、うち89%にあたる831件は金融機関が被害額を補償した。不正送金の被害額は12億4,200万円と、2012年度1年分の10倍に膨らんだ。
 
 金融機関は、預金者保護法で預金口座を持つ個人が不正送金事件の被害に遭った場合、被害者に過失がなければ被害額を補償する必要がある。法人の場合は補償義務はないが、取引先に過失がなければ金融機関が被害額を代わりに負担するケースが増えている。
 
 2012年度までは、ネットバンキングの利用パスワードを書いた紙を紛失したり、他人に渡したりするなど、利用者に一定の過失があるケースがかなりあったが、最近は偽サイトに誘導して個人情報を盗むフィッシングや、パソコンの遠隔操作などの手口が複雑になり、銀行の利用者に過失がないケースが増えているようだ。

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