現役2・47人で1人を扶養

公開日 : 2010年9月4日


 高齢者1人の年金を何人の現役世代で支えているかを示す「年金扶養比率」が、厚生年金の2009年度末の比率では、高齢者1人あたり2・47人と08年度末と比べ0・13低下。これは、年金を受け取るOBが増え、会社員が減ったため。景気後退や就業構造の変化で会社員の負担が増している。

 年金扶養比率は、現役世代である加入者数を年金をもらえる権利のある人(受給権者)の数で割った値で、比率が小さくなるほど、現役世代の負担が重いことを意味する。

 厚生労働省によると、年金扶養比率は1970年度末に高齢者1人あたり42人だったが、その後低下し、2004年度末に2・91人と初めて3人を割り込み、2009年度末は2・5人を下回った。

  ある程度の額の厚生年金をもらえる高齢者(原則20年以上加入)は、2009年度末に1,385万人と、2008年度末と比べて約62万人増加。一方、厚生年金の加入者は採用抑制やリストラなどで約20万人減っている。加入者数が減るのは2年連続。

 厚生年金の年金扶養比率(受給者ベース)は2030年度に高齢者1人あたり2・09人まで低下。国民年金の状況はさらに厳しく、2008年度末に2・55人、15年度には2人になる見通し。

 2009年度の厚生年金の給付費は、前年度と比べ約1兆1,500億円増え、23兆7,500億円で、保険料収入は前年度より約4,500億円少ない約22兆2,400億円。当面は、厚生年金の積立金約120兆円(2009年度末)で賄えるが、破綻する前に手を打たないと大変だ。

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