財務省試算

公開日 : 2012年2月1日


 財務省の公表によると、消費税率を2015年10月に10%に引き上げても国債残高は2021年度末に1,000兆円を超えるまで増え続け、2021年度の国債の利払い費は20兆円へと倍増する見込み。
 財務省が公表したのは、消費税率を2014年4月に8%に、2015年10月に10%に引き上げることを盛り込んだはじめての試算になる。
 消費税を増税しても国債の残高が膨らむのは、全体の税収が増えても、社会保障の拡充やそれまでに発行した国債の元利払いが税収増より大きいためで、新規国債の発行額も減らない。過去に発行した国債の利払いのために新たな国際を発行する悪循環を断ち切れない。
 試算によると、国債残高(復興債を除く)は2012年度末の696兆円から2021年度末には311兆円増の1,007兆円に達する見通し。利払い費も2012年度の10兆円から21年度には20.7兆円にまで増加。
消費税率を5%上げるのに伴って税収は2015年度には2012年度よりも約10.5兆円増え、税外収入なども含めた収入は2015年度に56兆円に増える。
 一方、社会保障費や地方交付税などで構成される政策的な経費は2012年度の68.4兆円から15年度には73.9兆円まで増加。国債も毎年40兆円以上の新規発行で残高が積み上がるため、利払い費に国債の償還費などを足した国債費は2012年度の21.9兆円から、15年度には27.5兆円に増えることになる。

財務省の財政試算のポイント(兆円)
「社会保障と税の一体改革」をした場合                しない場合
               12年度 13年度 14年度 15年度  15年度
歳出              90.3     91.9     98.2     101.4     101.1
    国債費        21.9     23.5     25.8      27.5      27.4
    政策経費      68.4     68.4     72.4      73.9      73.7
歳入              90.3     91.9     98.2     101.4     101.1
    税収          42.3     42.7     49.7      52.8      44.2
    その他の収    3.7      3.4      3.2       3.2       3.2
    財源不足      44.2     45.7     45.3      45.4      53.6
   (新規国債発行)
(注)各目経済成長率を1%台半ばと想定。四捨五入の関係で合計が合わない部分がある。

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