上場企業 今期利益ランキング

公開日 : 2012年2月21日


 2012年3月期の予想連結純利益が多い順に上場企業をランキングしたところ、上位にはNTTドコモなどの通信や資源高で潤う商社がランクイン。テレビ不振と円高で苦境に立つ電機大手は、パナソニックなど5社が1,000億円以上の赤字。日本の稼ぎ手が製造業から非製造業へ、輸出関連から内需関連へと移ってきている
 
 快走が目立つのはスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)普及の恩恵を受ける通信。NTTドコモは今期の予想純利益が4,740億円と、親会社のNTTを上回る見込み。ソフトバンクは契約者数、利用単価ともに伸び、最高益が見込まれる。KDDIも高水準利益を確保する。
 
 総合商社も好業績が相次ぎ、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅が最高益となりそう。中国需要を背景とした資源価格の上昇が利益を押し上げる。
 
 日本企業の「稼ぎ頭」を10年前の2002年3月期と比べると当時の純利益トップ5はトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、武田薬品工業、任天堂の順で、製造業が名を連ねており、純利益が1,000億円を超えたのはこの5社だけだった。10位のホンダで2,150億円に達し、1,000億円以上は21社を数える。
 
 一方、不振に見舞われているのが電機。今期はパナソニック、シャープ、ソニーの最終赤字が合計1兆2,900億円になる。10年前は円の対ドル相場(年平均)が1ドル=約124円だったが、今期は80円を突破する円高が業績を圧迫。
 
 10年前に純利益が5位だった任天堂は逆風にさらされ、2002年3月期は「ニンテンドーゲームキューブ」などゲーム機が好調だったが、今期はスマホ向けゲームなどに押され、650億円の最終赤字となりそう。
 
 今期は電機決算の悪化が目を引くが、最終赤字が1,000億円以上の企業は6社で、10年前(11社)と比べほぼ半減する。

上場企業の12年3月期利益ランキング(億円)
■予想純利益が大きい企業
順位    社名    純利益
       1NTTド   4,740
       2NTT     4,650
       3三菱商事   4,500
       4三井物産   4,300
       5ソフトバ   3,100
       6日産自動   2,900
       7伊藤忠商   2,800
       8住友商事   2,500
       9KDDI   2,350
      10ホンダ     2,150
■予想最終赤字が大きい企業
順位    社名    最終赤字
       1パナソニ   7,800
       2シャープ   2,900
       3ソニー     2,200
       4エルピー   1,100
       5NEC     1,000
       6マツダ     1,000
       7任天堂       650
       8住友金属     550
       9川崎汽船     540
      10リコー       460
(注)3月期決算(金融、電力、新興除く)で比較可能
 な1,612社が対象。日産は4~12月期決算末発表

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