国民健康保険、高所得者の負担増(30年2月28日)

公開日 : 2018年2月28日


 厚生労働省は2018年度から、自営業者らが払う国民健康保険の年間支払上限額を4万円引き上げる。社会保障は会社員でも高所得層の負担増が続く。
 
 国民健康保険は自治体がそれぞれの財政事情に合わせて、加入者の年収ごとに保険料を決め、年間の支払上限額は国が定め、現在は年73万円。これを2018年度から77万円にする。上限に達する年収は自治体ごとに違うが、厚生労働省によると平均で年収1,070万円以上の人が対象になるそうだ。
 
 一方で年収1,000万円を下回る中所得層の保険料は下げ、徴収する保険料の総額は変えない。
 
 国民健康保険は慢性的に赤字状態にあり、保険料では賄えない医療費を自治体が税収などで補っている。
 
 社会保障は所得が多い人に負担を求める動きが強まっている。厚生労働省は75歳以上が加入する後期高齢者医療制度についても、保険料の上限を57万円から62万円に上げ、限度額に達する人は年収864万円で少数とみられるが、年5万円は大きい。
 
 現役並みの所得がある高齢者は2018年8月から、介護サービスの自己負担が今の2割から3割に上がる。
 
 企業や高所得者の負担増はやむを得ない面があるものの、「取りやすいところから取る」構図への批判は経済界などに根強い。

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