フリーランスを保護(30年4月5日)

公開日 : 2018年4月5日


 公正取引委員会は企業に属さない技術者やデザイナーなどにいわゆる「フリーランス」を労働法の対象として保護する検討に入った。

 フリーランスとは、雇用契約書を結ばない独立した個人事業主として「業務委託契約」などの形で企業からの仕事を請け負っている人達。フリーのイラストレーターやプログラマー、「ひとり親方」と呼ばれる建設業の職人、トラック運転手など幅広い。こうした働き手には労働基準法などの労働法制は適用されない。事業者対事業者の契約関係になり、雇用関係ではなく、仕事内容の一方的な変更、不当に低い報酬や支払い遅延などのトラブルも相次ぐ。

 労働法制には、ミシン仕事などの内職のルールを定めた家内労働法があり、発注者に対し納品から1カ月以内に対価を支払うことなどを規定。厚生労働省はこの法律が定める内容を参考にしながら、法整備の議論を進める。
 
 政府は2019年度から残業時間に年720時間の上限規制を順次導入する方針なので、制度が導入されれば企業がコスト削減のためフリーランスに仕事を発注するケースが増えるとみる。
 
 具体的な違反行為として、企業が「秘密保持契約」を盾に競合他社との契約を過度に制限したり、イラストやソフトなどの成果物に必要以上に利用制限や転用制限をかけたりすれば、「優越的地位の乱用」にあたる恐れがあり、複数の同業他社間で賃金の上昇を防ぐために「互いに人材の引き抜きはしない」と申し合わせればカルテルとするとしている。

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