「企業再生支援機構」

公開日 : 2009年8月11日


 政府が9月に立ち上げる「企業再生支援機構」を活用しやすくするために、再建対象の企業と取引金融機関には、税負担を軽減する方針。支援対象企業は、技術力や有力顧客を持ちながら過剰債務などを抱える地方の中小企業で、部品メーカー、流通業や宿泊業などを想定。
 

 機構は、取引金融機関から支援企業の債権を買い取って出融資するとともに、人材を派遣し、経営再建を図る。再建資金は原則として機構が金融機関から借り入れ、政府が保証する。不採算事業の整理などで3年以内に再生のめどをつけ、新たなスポンサーに保有株を売却するなどして支援を完了する。

  政府は支援企業と取引金融機関に税制上の優遇措置を与え、機構の活用を促す。企業が債務免除を受けると、通常なら免除益が発生して追加の税負担が生じるので、税負担を嫌がって企業が機構の支援を拒む可能性があるので、支援を受けた場合は資産の評価損などと免除益を相殺できるようにして税負担を軽減させる。金融機関には、債権放棄した際の損失分を課税所得から差し引く無税償却ができるようにし、税負担を軽くする。
 

 金融庁の監督指針も改正し、債権分類を優遇できるようにする。支援前まで「要管理先」として、不良債権扱いだった対象企業の債権分類を、支援決定後は「要注意先」として正常債権に引き上げることを認めることで、取引行は、債権を持ち続けても貸倒引当金の引当率を下げることができる。
 

 支援企業の選定などは、3年以内に再生できる見込みがあることを条件とし、再生計画の提出も義務づけ、不振企業の単なる延命につながらないようにするようだ。

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